「2025年5月SSBJハンドブック」で、商業上の機密事項に該当して情報開示しないことができる場合などについて解説 SSBJ
サステナビリティ基準委員会(SSBJ)事務局は5月28日、「2025年5月SSBJハンドブック」を公開しました。
SSBJハンドブックとは、「サステナビリティ開示基準」(以下、SSBJ基準)の利用をサポートするものです。3・4月に公開されたハンドブックに続き、このたび公開された「2025年5月SSBJハンドブック」では、新たな情報が盛り込まれています。
例えば、「商業上の機密事項に該当し開示しないことができる場合」について解説しているパートがあります。
商業上の機密事項に該当し開示しないことができるのは、3つの要件を全て満たし、なおかつその場合にサステナビリティ関連の機会に関する情報が商業上の機密であると企業が判断した場合です。ここで言う3つの要件とは、①当該情報が一般に利用可能となっていない②当該情報を開示することにより、機会を追求することで実現できる経済的便益を著しく毀損すると合理的に見込み得る③機会を追求することで実現できる経済的便益を著しく毀損することなく、開示に関する定めの目的を満たすことができるように開示することができないと企業が判断している、の3つとなっています。
また、「時間軸」に関する開示についても解説しています。SSBJ基準では、企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ(気候)関連のリスク及び機会について、その影響が生じると合理的に見込み得る時間軸を、「短期」「中期」または「長期」で表すことを求めています。さらに、時間軸をどのように定義・評価・計画するのかは企業や産業の特性によって異なると考えられることから、SSBJ基準は時間軸を定義せず、企業固有の短期・中期及び長期の時間軸の定義を開示することを求めています。
その他、「サステナビリティ関連のリスク及び機会の識別」におけるガイダンスの情報源や、比較情報を更新するかどうかの判断、産業別の指標に関する解説も公開されています。