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線状降水帯の発生予測、範囲を絞り込み府県単位で発表へ 気象庁

掲載:2024年05月21日

リスクマネジメント速報

         
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線状降水帯が発生する可能性について気象庁は住民などに警戒を促す目的で12~6時間前に予測情報を発表しています。予測対象の範囲は従来、全国を11分割した地方単位でしたが、今年5月28日からは範囲をより絞り込んだ府県単位で実施します。今年3月に運用を開始した新たなスーパーコンピュータなど、計算性能の向上によって予測精度が高まってきたためとしています。

線状降水帯が発生すると局地的な豪雨をもたらし、土砂災害や洪水などの災害発生の危険度が高まります。住民や自治体などが災害発生を警戒し早めの備えに動けるよう、気象庁では2022年6月以降、発生の可能性について半日程度前からの呼びかけを実施しています。ただ、発生の予測は難しく対象エリアは段階的に細分化していく計画となっています。

今年5月28日からは府県単位とする予測情報を発表します。北海道や沖縄ではより細かい「府県予報区」単位で発表、鹿児島県では奄美地方を、東京都では伊豆諸島と小笠原諸島を区別して発表します。市町村単位で予測情報が発表されるようになるのは2029年以降とされています。

また、気象庁は線状降水帯に関するアンケート調査結果も参考資料として公表しました。調査は今年2月に実施したもので全国の市町村の防災担当部局と、住民を対象にウェブで行いました。

防災担当部局向け調査では、894の市町村から回答を得ました。それによると、線状降水帯の予測情報が発表されたことがある市町村では6割以上が「職員の手配などの事前準備」を行い、約6割が「防災体制の構築」を行ったと回答しました(複数回答可)。一方、住民向け調査(有効回収数は2,000)では、予測情報が発表されたことがある住民で「ハザードマップを確認した」と回答したのは35.2%、「避難先、避難ルートを確認した」と回答したのは23.6%となりました(複数回答可)。

※【2024年5月28日追記】運用開始は5月28日を予定していましたが、前線に伴う大雨が予想されたことから、5月27日に前倒しされました。