能登半島地震で配信された緊急地震速報について気象庁は9月10日、アンケート調査結果の詳細版を公表しました(速報版は3月に公表済み)。調査は、緊急地震速報を見聞きした際の行動や意識の違いについて分析・考察したものです。眠っていた人でも緊急地震速報で目覚め、その場で身構えたり、テレビやラジオ、携帯電話で地震情報を知ろうとしたりしたことなどが分かりました。
2024年1月1日16時10分ごろの地震で緊急地震速報(警報)を見聞きした人を対象に2月29日~3月11日の期間で調査を実施。WEB調査方式により有効回答数は11,405件(回答数は11,438件)となりました。
詳細版では、緊急地震速報を見聞きした際や揺れを感じたときの具体的な行動や、居住者(県内居住者)と来訪者(県外居住者)の比較、屋内と屋外など場所の比較、眠っていた人に対しての効果、緊急地震速報への理解などについて分析、考察がまとめられています。
能登半島地震では、帰省や観光客による人の移動が多い祝日かつ連休中に地震が発生したことを踏まえ、居住者と来訪者の比較をしました。それによると、居住者と来訪者で大きな違いはなく、ともに約6割がなんらかの行動をとることができました。来訪者においても多くの人が普段通りに緊急地震速報を受け取ることができました。自宅でなくとも、家族・親戚の家であれば危険度について判断し、必要な行動を取れたと推測しています。一方、屋外にいて乗り物に乗っていた人では、どのように行動すればよいかを判断できなかったとする傾向がみられました。
調査対象とした緊急地震速報は16時台でしたが、約5%(451人)は眠っていたと回答しています。このうち緊急地震速報で目覚めた人は約8割であり、強い揺れが来るまでに猶予時間(5秒以内、5~10秒以内、10秒以上)があったと回答した人の割合は合わせて68%でした。多い順に「5~10秒以内」(32%)、「10秒以上後」(15%)、「5秒以内」(21%)となりました。