気象庁は2020年12月21日、令和3年度気象庁関係予算について公表しました。それによると、災害につながりやすい線状降水帯の発生について、2021年から気象情報として注意報を発令する予定であるとしています。
線状降水帯とは、積乱雲が次々と発生し、線状の降水域となり、そのままほぼ同じ場所に停滞することで大雨をもたらす現象です。この線状降水帯によって、令和2年7月豪雨や平成30年の西日本豪雨などの大規模災害が発生しました。
気象庁では、線状降水帯による集中豪雨の危険性を国民に伝え、防災対応につなげたい考えです。そのため、線状降水帯が発生する可能性のある地域を検知して、まずは2021年から気象情報として「線状降水帯注意情報(仮称)」を発令、線状降水帯の発生を注意喚起する予定です。2022年には、線状降水帯などによる大雨の発生の半日前から、その確率について情報提供し、2030年には、半日前から線状降水帯に伴う集中豪雨を高い確率で予測し、災害発生の危険度分布の情報を提供する計画です。
これまで、線状降水帯の予測は難しいとされてきましたが、気象庁は次期気象衛星への最新技術の導入や、スーパーコンピュータの高性能化などを通じて、監視・予測技術の精度を向上するとしています。