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モンスーンジャイア

掲載:2024年09月05日

用語集

日本の南の海上において、南西からのモンスーン(季節風)と太平洋高気圧に沿って東から流れ込む貿易風がぶつかり風が収束してできる低圧部を「モンスーントラフ」といい、この付近で生じる反時計回りの風の循環を「モンスーンジャイア」といいます。モンスーンジャイアが生じることで、日本周辺で熱帯低気圧や台風が発生しやすくなります。

         

モンスーンが日本の天候に与える影響

モンスーンとは季節によって特有な風向を持つ季節風を指し、広義においてはこのような風に伴う雨季も含みます。強いモンスーンの影響を受ける地域はモンスーン気候帯と呼ばれ、アジア・モンスーン、オーストラリア・モンスーン、アフリカ・モンスーン、南アメリカ・モンスーンなどがあります。

アジア・モンスーン地域に位置する日本付近では、一般的に冬は大陸から海洋に向かって北西の風が吹き、夏は海洋から大陸に向かって南東または南西の風が吹くのが特徴です。アジア・モンスーンに伴う対流活動の変動は、梅雨や台風など、日本の天候に大きな影響を与えています。

モンスーントラフとモンスーンジャイア

今年(2024年)8月に入り、日本周辺で立て続けに台風が発生すると、台風関連のニュースではモンスーンジャイアという言葉をよく耳にするようになりました。

日本の南の海上において南西からのモンスーン(季節風)と太平洋高気圧に沿って東から流れ込む貿易風がぶつかり合い、風が収束してできる低圧部をモンスーントラフといいます。この低圧部付近で生じる反時計回りの風の循環が、モンスーンジャイアです。

アメリカ気象学会による気象辞典では、モンスーンジャイアについて、「北太平洋西部の夏季のモンスーン循環であり、最も外側の等圧線が直径2500kmに達する非常に大規模な、ほぼ円形の地上低気圧の渦で、地上低気圧中心または渦中心から離れた東縁部から南縁部に雲バンドが存在し、寿命は約2週間と比較的長い」と解説しています。

モンスーンジャイアは熱帯低気圧や台風を次々に発生させる要因となることから、その動向には注意が必要です。

台風、熱帯低気圧、温帯低気圧の違い

台風関連のニュースでは、熱帯低気圧や温帯低気圧という言葉が使用されます。台風と熱帯低気圧、温帯低気圧には、どのような違いがあるのでしょうか。

熱帯低気圧は、その名の通り熱帯や亜熱帯地方に発生する低気圧の総称であり、これには風の弱いものから強いものまで含まれます。このような熱帯低気圧の中で、北西太平洋または南シナ海に存在し、低気圧域内の最大風速がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを台風と呼びます。そのため、気象情報等で「熱帯低気圧」を用いる場合は、台風に満たないものを指していることになります。

一方、中緯度地域において、北の冷たい空気と南の暖かい空気が混ざろうと渦を巻くことで発生するのが、温帯低気圧です。台風が北上して中緯度地域までくると、北の冷たい空気を引き込むようになり、やがて温帯低気圧に変わります。

台風が温帯低気圧に変わると、気象庁による台風情報の発信は終了となりますが、大きな影響が続く場合には、引き続き各地の気象台から強風や大雨、高波などに関する警報や注意報、気象情報等が発表されます。

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