2020年度の国内の温室効果ガス排出量は算定開始以来で最少、コロナ禍による生産量や輸送量の減少が要因 環境省・国立環境研究所
掲載:2022年05月09日
リスクマネジメント速報
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環境省と国立環境研究所は4月15日、2020年度の国内の温室効果ガス排出量の確報値を発表しました。2020年度の総排出量は前年度比5.1%減の11億5,000万トン(二酸化炭素に換算)で、1990年度の排出量算定開始以来で最少となりました。最小値を更新するのは3年連続です。
発表された資料によると、排出量の最小値の更新は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に起因する製造業の生産量の減少や、旅客および貨物輸送量の減少に伴うエネルギー消費量の減少などが要因としています。
部門別の排出量では、工場などの産業部門や運輸部門、業務その他部門などが5~10%ほど減少しました。一方、家庭部門は4.5%の増加となりました。家庭部門における増加の要因には、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で在宅時間が増加し、一般家庭でのエネルギー消費量が増加したことが挙げられました。
確報値資料では、森林などの吸収源対策による温室効果ガス吸収量についても公表されました。それによると、2020年度の吸収量は、前年度より210万トン減って4,450万トンとなりました。吸収量を総排出量から差し引いた排出量は、前年度より6,000万トン減の11億600万トンでした。なお、吸収源対策による2030年度の吸収量の目標は4,770万トンとなっています。
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