人的資本経営の実践に向けて、事例集を追加した「人材版伊藤レポート2.0」を公開 経産省
掲載:2022年05月30日
リスクマネジメント速報
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経済産業省は5月13日、2020年9月に公表した「人材版伊藤レポート」を掘り下げた「人材版伊藤レポート2.0」を公表しました。新たに国内19社の事例を実践事例集として追加し、「人的資本経営」を実践に移すためのアイデアを提示しました。人的資本については、2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードに項目が新設されました。
「人材版伊藤レポート」とは、経済産業省の「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」が取りまとめた報告書のことで、副題に座長を務めた伊藤邦雄一橋大学CFO教育研究センター長の名前が冠されています。
この報告書は、持続的な企業価値の向上と人的資本について議論した内容をまとめたもので、「3つの視点・5つの共通要素」という枠組みを提唱しました。視点とは(1)経営戦略と人材戦略の連動(2)目指すべき姿とのギャップの定量把握(3)企業文化への定着の3点で、共通要素とは(1)動的な人材ポートフォリオ(2)知・経験のダイバーシティ&インクルージョン(3)リスキル・学び直し(4)社員エンゲージメント(5)時間や場所にとらわれない働き方の5点です。
レポート2.0では、この3つの視点と5つの共通要素に沿って、国内19社の事例が紹介されています。また、上場企業の経営陣と従業員を対象に実施した人的資本経営に関する調査の集計結果も同時に公開しました。
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