CX(企業変革)でグローバル企業の競争力強化へ、研究会報告書を公表 経産省
掲載:2024年06月26日
リスクマネジメント速報
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経済産業省が昨年12月に立ち上げた「グローバル競争力強化に向けたCX研究会」はこのほど、報告書をとりまとめ公開しました。同研究会は製造業を中心とした日本企業のグローバル競争環境をめぐる現状と課題について整理し、CX(コーポレート・トランスフォーメーション、企業変革)を通じて目指すべき姿などを提言しています。
同研究会は日本企業のグローバル化が急速に進み収益も過去最高を更新する一方で、「従来型の経営」では環境変化に追いつけていないのではないか、との問題意識に基づき発足しました。報告書によると、問題意識の背景には、M&Aの興隆によって海外現地法人の従業員数が約2倍に増加した一方、海外現地法人の日本人従業員の比率は1.5%以下に減少しているため、外国籍従業員に対する人材マネジメントなどの課題がグローバル企業の競争力を左右する死活的問題となってきていることがあります。連結ベースでは外国人従業員の比率は過半を超えたと記しています。
これまで日本企業は現地法人に日本人駐在員を派遣してマネジメントしてきましたが、近年の海外ビジネスの急拡大に伴ってそうした派遣できる人材が質的・量的に不足し、このやり方が通用しなくなりました。こうした課題を踏まえ、報告書ではこれら課題と経営戦略の一体化を実現していくために、人事部について役割の抜本的な拡張が必要だと強調しました。例えば、グローバル企業が備えるべきHR機能は、ビジネスパートナー(HRBP)▽組織開発(OD&TD)▽専門領域の企画・設計機能(CoE)▽オペレーション(OPs)――の4つと整理しました。
報告書ではHR機能のほかに、ファイナンス機能とDX機能についても課題を整理し、目指すべき姿を提言しました。
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