企業に求められる人権尊重責任を解説、「生命保険会社における人権対応ハンドブック」を公表 生命保険協会
掲載:2023年03月03日
リスクマネジメント速報
目次
生命保険協会は2月17日、生命保険会社が事業活動において求められる人権尊重の取り組みについて解説した「生命保険会社における人権対応ハンドブック」を公表しました。人権尊重の取り組みについてそれが求められる背景から先行して取り組みを進めている企業の事例や政策までを取り上げて、生命保険会社が今後どのように取り組むべきかを記しています。
「生命保険会社における人権対応ハンドブック」は全8章で構成されています。1~4章では、人権とは何か、企業に求められる人権尊重責任とは何を指すのかなどの定義を説明した上で、国連の「指導原則」や国際社会における人権課題を紹介しています。生命保険業界における人権課題の考え方や、日本および海外の動向については5~7章で整理し、最終章で今後の展望と生命保険会社に求められる取り組みを解説しています。
ハンドブックでは、将来的に人権DD(人権デュー・ディジリエンス)が法的な義務として求められることが想定されるとし、今から積極的に取り組むよう生命保険会社へ働きかけています。具体的には、「保険商品の開発から販売、保険金の支払いに至るまで、事業活動のあらゆるフェーズにおいて発生し得る人権上の影響を正確に捉え、リスク評価や優先順位付けを行いながら、適切に対応していくこと」や、機関投資家として投資決定プロセスに人権DDを組み込むことなど、投融資においても人権尊重の責任を果たすことを挙げています。
おすすめ記事
- コーポレートガバナンス・コード (2021年改訂対応)
- 人権デュー・ディリジェンス(人権DD)
- 事業活動およびサプライチェーンにおける強制労働のリスクに対処するためのEU企業のデュー・ディリジェンスに関するガイダンス
- 「ESGリスクに関わるガイダンス」をERMに適用するには
- ESG
- すべての企業が対象、「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」を策定 経産省
- CSR調達を支援、サプライヤー向けに「責任ある企業行動ガイドライン 自己評価シート詳細版」作成 JEITA
- 人権尊重の項目を拡充、企業行動憲章「実行の手引き」を改訂し、ハンドブックも作成 経団連
- ウラノス・エコシステムの先行ユースケース、蓄電池のCFPやDDに関するデータ連携基盤のガイドライン「β版」を公表 経産省/IPA
- 非財務情報の開示が進む、第31回「IR活動の実態調査」結果を公表 日本IR協議会
- EUの「企業サステナビリティ報告指令 (CSRD)」 実施に向け、解説書「CSRD Essentials」を発表 GRI