LNG争奪戦は2025年頃にピークへ、エネルギー白書2023を公表 経産省/資源エネルギー庁
掲載:2023年06月15日
リスクマネジメント速報
目次
経済産業省と資源エネルギー庁は6月6日、「令和4年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2023)を公開しました。ロシアによるウクライナ侵略がエネルギー危機を引き起こし、エネルギーの安定的供給の重要性が再認識されたことを踏まえ、白書ではエネルギーセキュリティとGX(グリーントランスフォーメーション)についてそれぞれ第1部の第2章および第3章で取り上げています。なお、白書の第1部第1章は、5年連続で福島復興について取り上げています。
エネルギーセキュリティとはエネルギー安全保障ともいわれ、エネルギーの安定的供給を確保することです。白書によると、エネルギーをロシアに依存していた欧州がLNGの輸入を急速に拡大したため、LNGの需給がひっ迫し価格が高騰しました。そのため計画停電を実施したアジア諸国もありました。LNG需給はロシアへの経済制裁の長期化に伴い、2025年頃にかけてさらにひっ迫し、世界的なLNG争奪戦は短期間では終わらないと分析しています。
GXについては、エネルギーの安定的供給の確保と産業競争力の強化、脱炭素の実現の観点から取りまとめられた政府の方針「GX実現に向けた基本方針」(2023年2月に閣議決定)やそれを具体的に進めるための「成長志向型カーボンプライシング構想」などを解説しています。
なお、白書の第2部と第3部は例年通り、国内外のエネルギー動向を取りまとめたデータ集(第2部)と昨年度に講じた施策集(第3部)となっています。
おすすめ記事
- ウクライナとロシア戦争後の不確実な未来に備えるには
- 2022年初に予測された重大リスクを振り返る
- カントリーリスク
- 「SDGsへの取り組み×ビジネス」により業界のけん引役に
- コーポレートガバナンス・コード (2021年改訂対応)
- サステナビリティ情報の開示について解説動画を公開 金融庁
- 地球温暖化対策計画案の修正案を公表、各部門における2030年度の排出量目安を記載 環境省・経産省
- 「民間企業の気候変動適応ガイド」を3年ぶりに改訂 環境省
- 気候変動対応を支援、新たな資金供給について制度骨子案を公表 日銀
- 「経団連カーボンニュートラル行動計画」を策定、2020年度の取り組み実績(速報版)についても公表 経団連
- ロシアによるウクライナ侵攻1カ月で、在ロシア日系企業向けにビジネスへの影響を調査 JETRO
- 2024~2030年が対象、「第6次環境基本計画」を閣議決定 政府
- 電力需要が増加するとの想定を紹介、エネルギー白書2024を公表 経産省/資源エネルギー庁