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仮設住宅の完成は2月以降、能登半島地震・豪雨における1年間の取り組みと今後の方針を公表 内閣府

掲載:2025年01月24日

リスクマネジメント速報

         
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能登半島での地震および記録的豪雨に関して政府が取り組んだ1年間の災害対応と今後の方針について内閣府は昨年末、概要をとりまとめたものをホームページに掲載しました。被災者の生活・なりわい再建やインフラなどの復旧といったテーマごとに整理されています。

政府は昨年元日に発生した能登半島地震と同年9月20日からの記録的豪雨による被害の両方で災害応急対策などに取り組んできました。内閣府のサイトによると、被災者向けに建設される応急仮設住宅については、能登半島地震で必要戸数とされた6,882戸のすべてが完成し、豪雨によって必要戸数とされた286戸については今年2月、もしくは遅くとも3月末の完成を目指しています(2024年12月時点)。

被災者の生活再建のためには住宅再建が欠かせません。恒久的住まいの確保に向けては災害復興住宅融資や「いしかわ型復興住宅」モデルプランによって住宅を自力で再建することを後押ししています。他方、自力再建が困難な高齢者に対しては仮設住宅の付与期間終了後も恒久的住宅として活用できる木造仮設住宅の建設に取り組みました。災害公営住宅についても一部市町村において設計に着手しました。

被災地の地場産業には農業、林業、水産業があります。農業では豪雨により土砂や流木が堆積した農地約400haのうち約170ha(約4割)を春の作付けに間に合うよう、復旧工事を進めます。林業では製材工場60施設において建屋倒壊や浸水の被害が発生しましたが、約8割は営業を再開しました。水産業では秋冬シーズン中に震災前と同水準の操業体制となるよう、漁港や共同利用施設(荷さばき施設や冷凍冷蔵施設、給油施設など)の復旧に取り組みます。

能登半島地震では大規模な断水が発生したうえ、豪雨が重なり新たな断水も発生しました。地震による断水が解消したのは5月末、豪雨による断水は12月末に解消しました(建物倒壊地域を除く)。今後は上下水道に分散型システムを導入することも検討します。

通信・放送インフラについては、復旧はおおむね完了しました。ただ、立ち入り困難な場所については一部サービスの本復旧が長期化する可能性があるとしました。能登半島地震の教訓を踏まえ今後は官民連携による「通信復旧支援士(仮)」の創設を推進するとしています。