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能登半島地震における被害や行政対応などを踏まえ、今後の災害対応の基本方針を示した報告書を公表 中央防災会議WG

掲載:2024年12月06日

リスクマネジメント速報

         
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政府の中央防災会議の作業部会はこのほど、能登半島地震の災害を踏まえた今後の災害対応の基本方針などをまとめた報告書(※)を公表しました。今後発生が危惧される南海トラフ地震や首都直下地震など大規模地震対策の検討につなげる必要があると記されています。

報告書を作成したのは、中央防災会議の防災対策実行会議に設置された「令和6年能登半島地震を踏まえた災害対応検討ワーキンググループ」です。10回にわたる議論を踏まえてとりまとめられました。

過去の災害で得た教訓を生かし、今年元日に発生した能登半島地震では災害応急物資を要請を待たずに送る「プッシュ型支援」や、応急対策職員派遣制度に基づく自治体の相互支援でカウンターパート方式とも呼ばれる「対口支援」、ドローンや衛星通信の活用といったことが大きく進みました。民間のデジタル人材が被災自治体の現場に入り、データベースをその場で応急的に構築して運用した事例もありました。一方、半島という地形的な特徴のほか、高齢化が進んだ地域であること、発災が元日夕方であったことなどから様々な課題が浮き彫りになりました。

報告書では、Ⅰ章に地震・津波および被害の概要を記した上で、その特徴を踏まえた災害対応の方向性が示されています。続くⅡ章では、7つの観点(人的・物的被害への対応▽国・地方公共団体等における災害応急対応▽被災者支援▽物資調達・輸送▽住まいの確保・まちづくり▽多様な主体の連携などによる支援体制の強化▽特徴的な災害を踏まえた対応)での取り組みを、課題と実施すべき対応に分けて示しました。

例えば、応急対策職員派遣制度や災害派遣医療チーム(DMAT)国土交通省緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)、総務省災害時テレコム支援チーム(MIC-TEAM)などがあるように、デジタル技術を活用するための民間デジタル人材の災害時派遣制度を創設すべきと提言しました。また、地方公共団体に対しては民間企業との協定締結の必要性を強調しました。さらに協定締結だけでは発災時に機能しないため、平時から実動訓練を行うことも推奨しました。

他方、企業向けには事業継続性確保の重要性が説かれています。具体的には、内閣府が地震後に被災地を含む北陸3県と新潟県の事業者を対象に実施したアンケート調査結果を紹介。例えば、「約5割の事業者が事業継続計画等を策定していなかった」、「約6割の事業者が、自らの事前対策が不十分であったと認識」といった調査結果を取り上げています。これらを踏まえ、事業者に対し平時の備えとともに、災害時の事業継続に向けたBCP(事業継続計画)策定や、サプライチェーン全体、地域連携・地域貢献を意識した「事業継続力」を引き上げる必要性を説いています。

※「令和6年能登半島地震を踏まえた災害対応の在り方について(報告書)」と題された報告書のこと。