富士山噴火で降灰30cm以上なら原則避難の方針、「首都圏における広域降灰対策検討会報告書」を公表 内閣府
内閣府は3月21日、「首都圏における広域降灰対策検討会」が取りまとめた「首都圏における広域降灰対策検討会報告書」を公表しました。
有識者などから構成される同検討会は、富士山噴火をモデルケースに、大規模噴火が発生した際の降灰による影響や対策について検討してきました。今回発表された報告書では、その結果をふまえて「首都圏における広域降灰対策ガイドライン」の案がまとまっています。富士山で大規模噴火が発生した場合の首都圏における、広域降灰の考え方や注意点などをまとめたものです。
ガイドライン案では、降灰による災害の特徴などをふまえた上で「できる限り降灰域内に留まって自宅などで生活を継続すること」を基本方針としています。ただし、降灰量が30cm以上で降灰後土石流の危険がある場合には、噴火直後は自宅や堅牢な建物に避難し、降灰状況をふまえて域外へ避難する原則が示されています。降灰量が30cm未満でも、被害が比較的大きい場合は、状況に応じて生活可能な地域への移動も視野に入れることになります。
また、ガイドライン案では降灰被害の影響も記載されています。例えば道路では、乾燥時10cm以上、降雨時3cm以上の降灰で二輪駆動車が通行できなくなると想定されています。
留意点としては、住民や国、地方公共団体、関係機関における備蓄の重要性が説明されています。また、施設管理者や地方公共団体は国と連携しながら、火山灰の仮置場や最終的な処分の候補地について選定するなど、準備を実施することが望ましいとしています。
今回の案をふまえ、正式に「首都圏における広域降灰対策ガイドライン」が発表される予定です。