内閣府の中央防災会議は5月25日、防災基本計画を修正し、公表しました。災害対策基本法の改正や新型コロナウイルス感染症対策、最近の施策を踏まえたものです。この防災基本計画に沿って、指定行政機関および指定公共機関は防災業務計画を、地方公共団体は地域防災計画を修正します。
防災基本計画の修正のうち、改正災害対策基本法によるものは、主に次の通りです。
・国が設置する災害対策本部の見直し(「特定災害対策本部」の新設)
・「個別避難計画」作成の努力義務化
・自治体が住民に発令する避難情報の変更(避難勧告を廃止して避難指示へ一本化、「緊急安全確保」の新設など)
・広域避難の実現に向けた施策
次に、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、感染下での自然災害を想定した内容に修正されました。主な項目は次の通りです。
・避難所における感染症対策
・感染症対策に配慮した避難所の開設・運営に関する訓練の実施
・マスクや消毒液、パーテーションなどの備蓄の促進
・自宅療養者などの情報共有
・自治体の応援職員に対する感染症対策
最後の修正点としては、最近の施策を踏まえたものです。例えば、災害対応業務のデジタル化や複合災害への対応強化を求めています。また、「自分は災害に遭わない」という思い込み(正常性バイアス)の存在を教えるような、実践的な防災教育を実施する必要があると示しました。