宮城県気仙沼市は11月30日、東日本大震災に関する災害対応の実態と教訓などを取りまとめた記録誌を市のホームページで公開しました。震災前に策定した「地域防災計画」の項目に沿った災害対応について検証したほか、災害対応全般の課題についても整理しました。気仙沼市では、地震と津波によって1,300人以上が犠牲になりました。
記録誌「東日本大震災における災害対応の記録と検証」は約500ページの本編と記録写真などで構成されています。本編は第1章が「東日本大震災の記録」、第2章から第4章までが「災害対応の検証」、5章はそれらを総括した「まとめ」となっています。なお、「災害対応の検証」は、▽災害応急対策▽各種手続きや支援策▽業務の継続――の3つに分けて章立てされています。
震災当時の「地域防災計画」や「業務継続計画」に定められていた「継続の必要性の高い通常業務」の対応状況ついて検証するため、市の各課や所管施設に対してアンケートとヒアリング調査を実施しました。例えば、市の災害対策本部会議の会場として想定していた建物が被災したため、「地域防災計画」に沿って、防災センターに同本部を移設したことなどを検証しています。
記録誌では、今後に向けて「円滑に民間企業の協力を得ることができるよう、大規模災害を想定した協力可能な事業者のリストアップを行うことが必要」などと指摘しています。