今年度から「氾濫発生情報」の運用を開始、令和6年度「東京都水防計画」を公表 東京都
掲載:2024年04月22日
リスクマネジメント速報
目次
東京都は4月12日、改定した「東京都水防計画」(令和6年度)を公表しました。東京都水防計画は水防活動に関する具体的な事項を取りまとめたものであり、水防業務とその円滑な実施に向けて必要な事項が規定されています。
改定するにあたり、東京都が管理する河川のうち洪水や高潮などの際に危険性が高いと想定される場所や、堤防・護岸などについて老朽化するなどして強度面で注意が必要な場所などを調査しました。これを踏まえ、水防上注意を要する箇所は内容が更新されました。
洪水の危険性が高まった場合に災害の切迫性に応じて「洪水予報」や「水位到達情報」を発表するとされている河川があります。「洪水予報河川」や「水位周知河川」と呼ばれるもので、国土交通大臣もしくは都道府県知事によって指定されています。東京都は水位周知河川の指定を随時見直しており、従来の9河川(善福寺川、谷沢川、丸子川、呑川、白子川、鶴見川、恩田川、真光寺川、境川)から12河川へと増やしました。新たに指定されたのは、柳瀬川、空堀川、奈良橋川です。
水位周知河川では、東京都が単独で観測した河川水位に基づき氾濫するおそれを水防関係機関に伝えます。例えば、避難の目安となる「氾濫危険水位」を東京都はあらかじめ定めており、この水位に到達したときに「氾濫危険情報」を発表します。
洪水予報河川では、東京都が管理している河川(神田川、目黒川、渋谷川・古川、野川・仙川、妙正寺川、石神井川)は従来、「氾濫危険情報」を発表する運用でしたが、今年度からは「氾濫発生情報」も発表する運用となりました。「氾濫発生情報」はあらかじめ定めた「氾濫発生水位」に達したときに東京都と気象庁が共同で発表します。
また、水位周知河川においても「氾濫発生情報」の運用を開始します。12河川においては東京都が単独で「氾濫危険情報」と「氾濫発生情報」を発表します。
おすすめ記事
- 線状降水帯
- 地域防災計画
- 洪水・内水(こうずい・ないすい)
- 江東5区大規模水害広域避難計画
- 計画規模と想定最大規模
- 土砂災害警戒情報
- 避難勧告/避難指示/高齢者等避難/緊急安全確保
- 建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン
- タイムライン防災
- TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)
- 江東5区の約48万世帯が対象、「水害リスク診断書」を世帯ごとに配布 東京都
- 気候変動適応の視点を反映させた行動計画などを推進、気候変動適応計画における気候変動適応の進展把握・評価に係る中間報告書を公表 環境省
- 気象データを活用した災害リスク管理を提案、「気象データ利用ガイド」を公表 気象庁/WXBC
- 『できることから始める「気候変動×防災」実践マニュアル』を公表 環境省
- 気候変動による災害激甚化に関する影響評価について中間報告を公表 環境省
- 都政BCPはオールハザード型へ、「Step.1」を公表 東京都
- 年内に改定へ、中間とりまとめ「東京都豪雨対策基本方針(改定)」の意見公募を実施 東京都
- 線状降水帯の発生、予測精度向上に向けてスパコン追加稼働へ 気象庁
- 「水害リスクを自分事化し、流域治水に取り組む主体を増やす流域治水の自分事化検討会」がとりまとめを公表、取り組みを開示する企業に対して投資が進む社会へ 国交省