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将来は1つの法定開示書類に集約へ、懇談会が中間報告とりまとめ 経産省

掲載:2024年06月28日

リスクマネジメント速報

         
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経済産業省が今年4月に設置した「企業情報開示のあり方に関する懇談会」は6月25日、中間報告を公表しました。それによると、企業の情報開示は進んできたものの、その情報が資本市場へ効果的に伝わっていないのではないかという問題意識のもと懇談会は発足しました。情報開示をめぐっては、今後も開示に関する負担増が予想されています。サステナビリティ情報など開示内容のさらなる充実化が求められる一方で、開示体系の複雑さなどが効果的な情報開示の阻害要因になっていると指摘しています。懇談会では主に(1)企業価値向上に資する開示情報の内容・質(2)開示体系――の2つの観点で議論しました。

中間報告では、将来の情報開示体系のモデル案が示されました。まずは、制度開示書類を一つの法定開示書類に集約するという方向性です。会社法と金融商品取引法、証券取引所上場規程の要請を満たす書類を一つの法定開示書類として作成・開示します。次に、現在は統合報告書で開示されることが多い情報についても検討の上でこの法定開示書類に含めるという案について議論をし、その案を目指すべきとする意見が「比較的多く挙げられた」と記されています。

現在は、金融商品取引法による有価証券報告書、会社法による事業報告・計算書類等、証券取引所の上場規程によるコーポレート・ガバナンス報告書というように、複数の制度に応じる形で複数の報告書が作成されており、内容の重複が指摘されていました。また、これら制度開示の報告書と任意の報告書(統合報告書やサステナビリティレポートなど)との間でも内容の重複が見られます。複数の報告書を作成することは、作成者の負担ばかりでなく、投資家側でも読む負担や情報収集の難易度を上げることになり、ひいては日本企業のディスカウントを招いているのではないか、との指摘も紹介されています。

他方、情報開示の内容・質については、有価証券報告書、コーポレート・ガバナンス報告書、統合報告書の項目ごとに課題や方向性などがまとめられています。英文でのタイムリーかつ充実した内容の情報開示の必要性があるなどと記されています。