秋田県では過去最大の被害額、2023年の全国の水害被害額(暫定値)を公表 国交省
掲載:2024年10月16日
リスクマネジメント速報
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国土交通省は10月8日、2023年の国内の水害被害額(※)が約6,800億円(暫定値)になったと発表しました。過去10年では3番目に大きい被害額となり、都道府県別では秋田県が最も大きく、同県では1961年の統計開始以来最大の被害額となりました。
2023年は7月11~20日に生じた梅雨前線による豪雨により、東北地方の北部を中心に大雨となりました。特に、秋田県では複数地点で24時間降水量が観測史上1位の値を更新するなど、同県を中心に記録的な大雨に見舞われました。
この豪雨による被害額は約1,590億円となり、都道府県別では被害額が大きい順に秋田県で約1,400億円、ついで石川県が約130億円、福井県が約30億円となりました。秋田県ではこの豪雨を含め2023年の水害被害額は約1,430億円となり、全国で最も大きくなりました。
同年5月30日~6月5日に生じた豪雨および台風第2号による水害被害額も約1,580億円と大きくなりました。都道府県別では大きい順に和歌山県が約500億円、次いで静岡県が約390億円、埼玉県が約210億円となりました。
当該時期には西日本から東日本の太平洋側を中心に大雨となり、1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降り、1時間降水量が観測史上1位の値を更新した地点がありました。この大雨により国が管理する河川と都道府県が管理する河川をあわせて44の河川で氾濫が発生しました。また、九州地方を中心に死者6名、約9,600棟の建物が被災しました。
他方、同年6月末からの大雨による被害も約1,560億円となりました。当該時期の梅雨前線による豪雨などで水害被害額が大きくなったのは、福岡県が約620億円、次いで山口県が約280億円、熊本県が約200億円でした。
なお、2023年水害被害額の確報値は2025年7月末に公表される予定です。
※水害被害額は一般資産等被害額と公共土木施設被害額、公益事業等被害額で構成されています。
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