国土交通省は3月30日、全国の1級水系と12の2級水系に対する流域治水プロジェクトを策定・公表しました。同プロジェクトは、官民問わずに流域の関係者すべてが連携して水害を抑える初めての取り組みです。近年の気候変動による災害の激甚化、頻発化を踏まえ、水系ごとに流域治水協議会を立ち上げ、策定しました。
1級水系に指定されている109の水系すべてにおいて、上流・下流・本川・支川の流域全体を俯瞰し、河川整備、雨水貯留浸透施設、土地利用規制、利水ダムの事前放流など、あらゆる関係者の協働による治水対策の全体像を取りまとめました。また、2級水系についても、12の水系において、同様の施策を同時に公開しました。
このプロジェクトは、(1)さまざまな対策とその実施主体の見える化(2)対策のロードマップを示した上で、全体事業費の明示(3)協議会によるあらゆる関係者と協働する体制の構築――をポイントとしています。国土交通省は今後、ハード面とソフト面が一体となった事前防災対策を加速化する構えです。