「港湾の事業継続計画(港湾BCP)策定ガイドライン(改訂版)」を公表 国交省
掲載:2021年04月12日
リスクマネジメント速報
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国土交通省は3月30日、「港湾の事業継続計画(港湾BCP)策定ガイドライン(改訂版)」を策定し公表しました。2020年6月に設置した「海・船の視点から見た港湾強靭化検討委員会」が取りまとめた施策の1つになります。
同委員会では、切迫する南海トラフ地震や日本海溝・千島海溝沿いの地震による津波の来襲に対し、沖合退避する船舶や港湾内に留まる船舶への被害、漂流船舶が陸上施設に及ぼす被害の軽減に向けて対応策を検討していました。その取りまとめとして「『海・船の視点から見た港湾強靭化』とりまとめVer.1」と、港湾BCP策定ガイドライン改訂版を公表しました。
改訂版は具体的には、(1)沖合退避の迅速化、(2)係留避泊の安全性向上、(3)船の衝突・乗揚げの抑制――の3つの観点から、関係者が連携して検討・合意すべき項目を追加しました。他方、「『海・船の視点から見た港湾強靭化』とりまとめVer.1」では、各港湾において起こり得る津波の規模や到達時間を複数ケース設定した津波シミュレーションを実施し、各ふ頭のリスク分析を行い、その分析結果を分かりやすく図化したマップを作成するとともに、津波来襲時に各関係者が取るべき行動を船側も含めた関係者間で決めて、港湾BCPに規定することが重要と明示しました。そのために、リスク分析によって施策を講じるべきふ頭を抽出し、荷役停止や係船索の取り離しの手順や優先度を事前に検討しておく必要があると示しました。
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