富士山噴火や首都直下地震などに備え、対策強化の提案書を提出 9都県市首脳会議
掲載:2024年07月26日
リスクマネジメント速報
目次
首都圏の1都3県と、5つの政令指定都市(※)は7月22日、同日付で国へ2つの提案書を提出すると発表しました。提案書は9都県市の首長で構成する9都県市首脳会議が決定したものです。「提案書(地震防災対策等の充実強化)」は内閣府と総務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省に、「提案書(国民保護の推進)」は内閣府と総務省に提出されます。
提案書の1つは国へ防災対策の強化を求める内容です。日本の総人口の約3割が集中する首都圏において大規模地震が発生した場合は、熊本地震や能登半島地震を超える混乱が予想されるとし、災害による被害を軽減し、首都機能を維持するため防災対策の強化を図るよう14項目を挙げて提案しています。
項目の1つには、帰宅困難者対策の推進に関するものがあります。具体的には、国の庁舎や国が管理する施設について発災時に市区町村や都県からの要請もしくは自主的に、帰宅困難者の一時滞在施設として使用できるようにすることや、一時滞在施設に協力した事業者に対する法人税の軽減などの税制措置を行うことなどを提案しています。
提案書を作成した9都区市には高層建築物など巨大構造物が多くあります。巨大構造物は長周期地震の影響が大きいと考えられるため、相模トラフ沿いの巨大地震による影響の調査について、早急な公表と対策の実施を進めるよう求めています。
富士山などの大規模噴火への備えについても項目に挙げられています。例えば、降灰予報の精度向上(場所・層厚など)を図ることや、降灰時の避難判断、都市機能維持のための対策を行えるよう、広域降灰にも対応した基準を設定し、注意報、警報を導入・運用することを提案しています。
もう一方の提案書では、大規模テロなどの国民保護事案に関する対策推進が重要だとし、8項目を挙げています。例えば、国民保護に対する意識の醸成や緊急事態に国民が避難時間を確保できるよう、情報伝達技術の更なる改善などを提案しています。
※埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市の9都県市
おすすめ記事
- 能登半島地震に学ぶ、BCP活動を進化させるヒント
- BCP総点検のススメ~アフターコロナ・能登半島地震からのBCP再構築~
- 海溝型地震/活断層型地震
- 長周期地震動・長周期地震動階級
- テロから身を守るには ~個人および企業としての対策~
- NBC災害とCBRNE災害
- 弾道ミサイルを想定した避難訓練 ―課題と考慮すべきこと―
- 全国瞬時警報システム(J-ALERT)
- 日本国内への弾道ミサイル攻撃に対する備えと行動
- なぜ企業は噴火に備えなければいけないのか
- 首都直下地震の経済的被害額を1,001兆円と推計、公共インフラ耐震強化の重要性を強調 土木学会
- 一斉帰宅抑制を推進する企業の取り組みを紹介した事例集を更新 東京都
- 1都7県における防災の取り組みについても紹介、令和6年版「首都圏白書」を公表 国交省
- 首都直下地震の被害想定を10年ぶりに見直し、最大震度7の「都心南部直下地震」では死者6,148人に 東京都
- 発災時の帰宅抑制などを推進、防災リーダー制度を創設 東京都
- 緊急地震速報
- 震度