線状降水帯の半日前発生予測の呼びかけ、8月22日時点での運用結果を発表 気象庁
掲載:2024年09月02日
リスクマネジメント速報
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気象庁は、線状降水帯の発生について「顕著な大雨に関する情報」と「線状降水帯による大雨の半日程度前からの呼びかけ」の2つの情報を発表しています。前者は「線状降水帯が発生した」とする情報(※1)であり、後者は線状降水帯による大雨の可能性がある程度高いと予想された場合に半日程度前から発表する情報です。2022年に運用を開始し、今年5月27日からは発表の対象範囲を11の地方単位からより絞り込んだ府県単位での発表へと変更しました。この半日程度前から発表する情報に関して気象庁は8月22日、「適中」と「見逃し」の結果(8月22日時点)を公表しました(台風10号の影響などで発生した8月下旬のものは含まれない)。
それによると、5月27日~8月22日の間、線状降水帯の発生事例は計6回でした(※2)。一方、気象庁は線状降水帯の半日前の発生予測について計44回呼びかけました。このうち実際に線状降水帯が発生したのは2回で適中率は約5%となりました。なお、発表の対象範囲が広かった昨年では、適中率は約41%(=計22回呼びかけたうち実際に9回発生)でした。
一方、半日前の発生予測を発表しなかったときに実際には線状降水帯が発生したケースが4回ありました。見逃し率にすると約67%となります。昨年は約61%(=実際には23回発生したが呼びかけは14回)でした。
また、線状降水帯の発生こそなかったものの、3時間の雨量が100mmを超えたケースは全体のおよそ32%(=計44回呼びかけたうちの14回)でした。そのため半日前の発生予測について呼びかけがあった際は、大雨災害への心構えを一段高めることが重要となります。
※1 10分先、20分先、30分先のいずれかにおいて、気象庁が設定した基準をすべて満たす場合に発表
※2 11の地域単位で捉えた発生の回数。呼びかけの単位とは別。
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