経団連カーボンニュートラル行動計画、2023年度実績(速報版)を公表 経団連
掲載:2024年12月26日
リスクマネジメント速報
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日本経済団体連合会(経団連)は12月9日、「経団連カーボンニュートラル行動計画(以下、経団連CN行動計画)」に参加する業界団体や企業の取り組み実績を取りまとめた「2050年カーボンニュートラルに向けたビジョンと2024年度フォローアップ結果 総括編(2023年度実績)[速報版]」を公表しました。
経団連CN行動計画は「2050年CNに向けたビジョン(基本方針等)」策定と、4つの柱(①国内事業活動からの排出削減②主体間連携の強化③国際貢献の推進④2050年CNに向けた革新的技術の開発)で構成されています。
まず、2050年CNに向けたビジョン(基本方針等)の策定については、参加全63業種のうち、ビジョン策定済の業種数は昨年度の45業種から46業種に増加、策定済みの業種は参加業種全体の73.0%となりました。エネルギー転換部門、産業部門、運輸部門、業務部門における、それぞれの業界でのビジョン内容もまとまっています。
次に、国内事業活動からの排出削減については、2023年度のCO2排出量が全部門(産業、エネルギー転換、業務、運輸)合計値で4億6,809万トンとなり、2013年度比で21%減少、前年度比では2.3%減少したと報告されています。なお、速報版では全63業種のうち59業種から回答を得て集計されました(全業種での結果は2025年3月頃の公表予定)。建設工期の長期化などによってセメントの需要が低下したことや化学製品の外需縮小などCO2排出量が多い産業を中心に産業部門での経済活動が減ったことなどが影響しました。部門別では、すべての部門において2013年度比は減少。一方、前年度比では、運輸部門が増加、産業部門とエネルギー転換部門、業務部門は減少となりました。
目標・実績などを公開している61業種のうち、目標を達成しつつある6業種を中心に、CNの実現に向けて目標の見直しが表明されており、目標指標の更新や引き上げが行われました。政府が掲げる「2030年度に温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減する」という目標を実現すべく、各業種が積極的に取り組んでいることの現れだと記されています。また、調査に回答した59業種のうち22業種は、目標達成が可能と判断していることが明らかになりました。13業種では2023年度実績がすでに2030年度目標に達しており、それらの会社では省エネ設備の導入やエネルギー回収、再生可能エネルギーへの転換などが進んでいます。
主体間連携の強化および国際貢献の推進では、多くの業種がCNに貢献する製品やサービスなどを通して、自らの事業だけでなく、バリューチェーン(調達、製品・サービスの提供、使用、廃棄)においてもCO2排出量の削減に貢献したほか、排出量削減につながる技術・ノウハウを海外に移転させるなどして世界の温室効果ガス排出削減へ貢献したと記されています。
2050年CNに向けた革新的技術の開発については、それぞれの業種・企業において、政府と連携しながら開発や実証が進んでいることが記載されており、各業種での取り組みやロードマップもまとまっています。