確定版SSBJ基準などについて解説したセミナーのアーカイブ配信を開始 FASF
財務会計基準機構(FASF)はこのほど、3月に実施したセミナーのアーカイブ配信を開始しました。FASFの下部組織である企業会計基準委員会(ASBJ)とサステナビリティ基準委員会(SSBJ)双方の委員長を務める川西安喜氏が登壇したほか、金融庁の野崎彰企画市場局企業開示課長がサステナビリティ情報の開示基準と保証制度の導入について解説しました。
アーカイブ配信されたのは「ASBJ/SSBJオープンセミナー2025『我が国における会計基準及びサステナビリティ開示基準の最新動向』」です。3月6日にSSBJセッション、同7日にASBJセッションが行われ、最新の動向について解説されました。両日それぞれのプログラムごとに投影資料と動画コンテンツが公開されています。
SSBJセッションはちょうど、最終化したサステナビリティ開示基準(SSBJ基準)をSSBJが公表した翌日に開催されました。セッションではSSBJ基準の法令上の位置づけやSSBJ基準開発にあたっての方針、2024年3月に公表した公開素案からの主な変更点、国際的なISSB基準との変更点などについて説明がされました。
SSBJ基準を適用する対象範囲や時期については金融審議会の作業部会で検討され、SSBJ基準を2026年3月期から導入し、翌2027年3月期において時価総額3兆円以上の企業から順次適用を義務化する方針などが示されています。作業部会では現在、主にサステナビリティ情報の保証制度について議論が進められています。
保証制度は、財務情報に監査があるようにサステナビリティ情報についても信頼性の確保(保証)を求めるというものです。金融庁の野崎彰企画市場局企業開示課長は保証制度の導入について有価証券報告書にSSBJ基準が導入された翌年を想定しているとした方向性を説明しました。
野崎氏の登壇では、金融庁が作成している「記述情報の開示の好事例集」の紹介もありました。サステナビリティ情報は2023年3月期から有価証券報告書において記載欄が設けられ開示が求められるようになりました(「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正)。過去に提出された有価証券報告書のうち、サステナビリティ情報の開示について好事例となる箇所を抜粋して解説している事例集の一部を投影しながら開示のポイントを示しました。
ASBJセッションでは、新リース会計基準の適用における実務上のポイントについてパネルディスカッションが行われました。新リース会計基準はASBJが2024年9月に公表したもので、上場会社などは2027年4月1日以後に開始する連結会計年度および事業年度の期首から適用されます。また、2025年3月期期末監査における留意事項として、日本公認会計士協会(JICPA)から改正内部統制報告制度について説明がありました。